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高血圧症(その2)

高血圧治療の目的

31_01.jpg血液を運ぶ血管は、心臓から出たところが最も太くだんだん細くなり毛細血管という血管になります。

この毛細血管まで血液を運ぶため、 心臓から出たところでは120~140mmHgとかいった具合なのですが、これは水を1.6~1.9mの高さまで吹き上げる大変な圧力なのです。

そのため、高血圧症をそのままにしておく事は血管を傷め付けていることになり血管壁は高い圧力に対応して次第に硬く厚くなり(動脈硬化)、脳卒中や心筋梗塞や腎不全など生命を脅かすような合併症が起こりやすくなります。

言い換えれば、血圧をコントロールする事は、合併症の発症や進展を阻止する事になるのです。

薬物療法

1.Ca拮抗薬・・・血管平滑筋細胞内のカルシウムイオン濃度を下げる事で血管は拡張するので、それによって血圧を低下させる。

2.交感神経抑制薬(β遮断薬)・・・交感神経が優位に立つと血圧は上がります。その交感神経の受容体にはαとβの2種類があり、β1受容体は主に心臓に分布するため、これらを遮断する事で心臓の緊張をやわらげて脈拍をおさえ、血圧も低下させる。

3.交感神経抑制薬(α遮断薬)・・・α1B受容体は主に血管に分布するため、これらを遮断する事で、血管を拡げ血圧を下げる。

4.ACE阻害薬 ・・・アンジオテンシンⅡという血管を収縮させて血圧を上げるホルモンが作られるのを抑えて血圧を下げる。

5.アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬・・・アンジオテンシンⅡが受容体に結びつくのをブロックすることで血圧を下げる。

6.利尿剤 ・・・体内のナトリウムや水分を排出して血圧を下げる。

7.その他 ・・・安定剤の服用のみで血圧が下がる方があります。

高血圧の薬物療法では合併症、臓器障害の程度などが考慮され処方されます。軽度~中等度の高血圧症では数ヵ月かけて血圧をゆっくり下げるのが原則ですが、これは急に血圧を下げると脳や心臓、 腎臓などの血液循環に障害が起こる ことがあるためです。

数ヵ月の間に目標値に達しない場合は、薬の量を増やしたり、薬のタイプを変更したり、別のタイプを併用したりという事になりますが、大切な事は生活習慣の改善を続けつつの服用になります。

減塩のすすめ

31_02.jpg食塩(塩化ナトリウム)に含まれるナトリウムは、交感神経を刺激して血管を収縮させますので血圧は上昇します。

またナトリウムは水分を貯留するので、 その結果血液量が増え血圧を上昇させます。

予防策としては、 ナトリウムを排出する作用のあるカリウムの多い果物や野菜(バナナ、キウイ、かぼちゃ、ほうれん草、ブロッコリーなど)を摂取し、ナトリウムの多い食事はひかえるようにして下さい。

日本人の食塩摂取量は1日11~12gと言われていますが高血圧患者の1日の塩分摂取量は6g以下とされていますので、下記の「塩分量のめやす」を参考にして下さい。
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