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認知症

認知症について

29_01.jpg「痴呆」という言葉が差別的という意見から、2004年12月24日付けで厚生労働省において行政用語を変更し関係学会などに「認知症(にんちしょう)」を 使用する旨の協力を依頼しました。

認知症は病気であり、年相応の物忘れとは異なり脳の細胞が破壊されてしまうことによって病的なもの忘れ(例えば朝ごはんのおかずが何だったか思い出せない老化に伴う物忘れではなく、朝ごはんを食べた事自体を忘れてしまうなど)や認知機能に障害(例えば不適切な場所に物をしまったりするなど)があり日常生活に支障があるものであって、皆がはつらつと暮らせる今後の高齢社会を目指すためには、早期発見、早期治療が大切です。 

そのためには、家族や友人など身近な人が以前のその人とは何か違うと感じれば、早めに受診し治療 を受けるようにして下さい。

脳の神経細胞は場所によってそれぞれ違った働きを担っている事はご存知でしょうが、認知症は破壊された神経細胞の機能だけが障害を受けている状態なので、すべてが分からない訳ではありません。

そのため大きな不安の中に置かれていて、その分パニックに陥ったり慌ててしまったり攻撃的になったり徘徊したりすると言われていますので、介護には細心の配慮が求められます。

「認知症が進行すると妄想や徘徊がおこってくる。」というのは誤解であって、記憶障害や認知機能障害などの症状は進行と共に必ず出てくるものでありますが、妄想や徘徊などは本人の置かれている精神状態などによって、初期から出る事もあれば出ない事もあります。

認知症の原因

アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体病(アルツハイマー病と間違えられる事も多く、生々しい幻視、症状の変動、パーキンソン症状が特徴)、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症など多数の疾患がありますが、2大疾患はアルツハイマー病と脳血管性認知症です。

アルツハイマー病

1907年にドイツの精神科医のアルツハイマー博士がはじめて報告した病気で、日本の認知症患者の半数以上を占めています。

脳が萎縮する疾患で、 βアミ ロイドという異常なタンパクが沈着し、それが神経細胞を破壊していくことまではわかっていますが、なぜそうなるかは不明で根本的な治療法は今のところ存在しませんが、進行を遅らせ、症状を軽くする塩酸ドネペジル (商品名:アリセプト)による治療が主流です。塩酸ドネペジルはアセチルコリンという神経伝達物質を分解するアセチルコリンエステラーゼという酵素の働きをさまたげて、 脳内のアセチルコリンの濃度を高める薬剤です。

最近では抑肝散という漢方が攻撃的な行動を改善したという症例がいくつかあり今後期待されるところです。

また海外では、 アメリカを中心にさまざまなタイプの新薬の開発が進められていて、一日も早く安全性の高い治療薬を待ち望むところです。

脳血管性認知症

生活習慣が大きく関わってくるもので、糖尿病や高血圧や高脂血症などで脳の血流が障害されて、脳に栄養や酸素が行き届かなくなり神経細胞が弱くなって発症します。

認知予備力とは?

脳に明らかな異変が生じているにもかかわらず、認知機能に問題のない人があります。これは、勉強や運動などでたえず脳に刺激を与え続けている人は、神経が強化されるという仮説です。 そういう人は、 脳の中の神経伝達物質の量が多かったり、 神経と神経をつなぐシナプスが太かったりするのではないかと考えられています。

介護の方への配慮

29_02.jpg介護の方の苦痛は、実際に介護した人にしか分からなく、口では言い表せるものではありません。主介護者がひとりで介護を抱え込まないよう回りも配慮し、介護保険をうまく利用するなどして、介護から開放される時間が作れるようにする事が必要です。それでも現状は大変で早急に地域の医療・介護ネットワークが整備される事を望みます。