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動脈硬化

はじめに
動脈硬化とは

azisai25a.gif 心臓から全身に血液を送り届けている動脈は元々は大変しなやかですが、年と共に硬くなりしなやかさは失われます。また、血管の壁にはコレステロールなどが溜まって血管の内径を狭くしています。このような血管の老化現象が動脈硬化で、いつまでも健康で若くいるためには、いかに動脈硬化(血管の老化)の進行を抑えるかにあると言えるでしょう。

動脈硬化によって起こる代表的な病気

 動脈硬化が進むと血液のめぐりが悪くなり、本来必要とする血液の量が虚ろ(うつろ)になる虚血(きょけつ)状態となります。その結果、各部位の酸素や栄養が不足し全身において疾患が発症します。すなわち、動脈硬化は全身性の疾患であるといえます。

1.虚血性心疾患(狭心症 ・ 心筋梗塞)
 狭心症は冠動脈(心臓に酸素や栄養を運び、心臓全体を冠のように 囲んでいる三本の動脈)の一部が狭窄して、一時的に虚血になる病気です。一方、虚血が持続し心筋の一部が死滅する状態で狭心症よりも虚血の程度が重いものが心筋梗塞です。疾患の多くは冠動脈の動脈硬化が根本にあって発症しますが、直接的な原因を次に上げてみましょう。

ⅰ.冠動脈の内腔の狭窄
冠動脈に動脈硬化が起こると血管の壁にはコレステロールなどが溜まって「プラーク」と呼ばれる塊ができ血管の内径を狭くしています。そのため血流が悪くなります。

ⅱ.冠動脈内の血栓
 血管壁にコレステロールなどが付着して出きた※アテロームを覆っている膜が破れると血栓ができやすくなります。血栓ができるとますます血管が狭くなり血流が悪くなります。※アテローム:粥腫(じゅくしゅ)
ⅲ.冠動脈の平滑筋のれん縮
ozi25b.gif 冠動脈は内膜、中膜、外膜の三層からできていて、中膜を構成しているのが平滑筋で、拡張したり収縮したりしています。冠動脈の平滑筋にれん縮(けいれんによる強い収縮)が起こると冠動脈の内腔を狭くします。原因は動脈硬化というよりは、大量の飲酒や喫煙が危険因子となります。.

2.虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作・脳梗塞)
 脳の虚血は脳梗塞と呼ばれる発作です。発作時には、体の一部が麻痺したり意識を失ったりします。発作時には心筋梗塞もそうですが一刻も早く治療を受ける事が大切です。一過性脳虚血発作は短時間の軽い虚血で、めまいや目の前が暗くなったりといった症状を表します。
3.閉塞性動脈硬化症
 足の筋肉の虚血で初期には無症状ですが、時に足の冷感やしびれ感等の症状を表し、進行すると間欠性跛行(かんけつせいはこう)などの症状を呈し、重症化すると安静時にも疼痛を起こし、さらに重症化すると細胞が死滅してしまい壊疽(えそ)といった症状を示します。

間欠性跛行
 歩き始めは良いのですが、しばらく歩くと太ももやふくらはぎが痛くなり、しばらく休むとまた歩ける状態で、これは足の筋肉の酸素消費量が増えているのに血液が十分に送り届けられないために現れる症状で、狭心症と同じ仕組みなのです。

動脈硬化の危険因子

  血管の老化も、年齢と共に進行するのは仕方ありませんが実年齢と血管年齢では個人差があります。その違いは動脈硬化の進行を速める危険因子の数と程度に関係します。

  1. 男性であること 女性ホルモンには動脈硬化の進行を抑える働きがありますのでその分泌の少ない男性は、女性より動脈硬化の危険が高くなります。けれども女性も閉経後は要注意。
  2. 家族歴 動脈硬化が進みやすい体質は遺伝するため血縁者に動脈硬化性の病気の方がおられたら日頃から予防により心掛けて下さい。
  3. 喫煙 たばこは血管を傷付けて動脈硬化を進めます。また、血液中の酸素を減らすため心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こし易くします。
  4. 高脂血症 悪玉コレステロールなどが血管壁に溜まってプラークと呼ばれる塊を作ります。そのため血管の内径が狭くなり虚血を生じます。
  5. 高血圧 自覚症状のない高血圧でも血管の壁自体は苦しい状態なので傷付いています。また、脳出血などを引き起こす原因にもなります。
  6. 糖尿病 血液中のブドウ糖の量が多過ぎる事も血管壁を傷め付けます。
  7. メタボリックシンドローム(内蔵脂肪症候群) 危険因子の数が多く動脈硬化の進行を速めます。
  8. その他 ストレスや性格的なものも関係しているようです。