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こむら返り

はじめに
こむら返りとは

 腓(こむら)とはふくらはぎの事です。こむら返りはふくらはぎの筋肉である腓腹筋(ひふくきん) が痙攣を起こしてつっている状態を言いますが、ふくらはぎ以外の手や足の筋肉が痙攣した場合もこむら返りと呼びます。
痙攣の持続時間は数秒間から数分間程度で殆んどが病気とは関係がなく健常者が経験する良性のもので、筋を過度に使用する運動中や運動後に起こりやすく、脱水時や妊娠後期にも経験する事も多い一般的なものなのですが、稀に病的なものや薬剤性のものもあり、続けて起こるような場合は、主治医や神経内科や整形外科などで診察を受けるようにして下さい。

こむら返りの発生機序

 こむら返りはなぜ起こるのでしょうか。
 人間の体には神経回路が複雑に張り巡らされていて、歩行では足を動かす指令が脳→脊髄 → 末梢神経 → 筋肉と伝わることで腓腹筋や足趾筋などの収縮や弛緩を繰り返して足の関節を動かしています。 また筋肉や関節のその時々の状態も神経回路を通じて脊髄にフィードバック(結果や反応を受け手側が送り側に情報を戻すこと)されていますが、このような神経回路のどこかに異常が生じ筋肉が過剰に収縮するのがこむら返りです。運動時のこむら返りの場合は筋疲労や過剰な発汗による電解質異常などが原因だと考えられています。一方、中高年の方の就寝時、特に明け方によく起こるこむら返りのほとんどは原因が分からないのが現実のようです。また、妊婦のこむら返りは、股関節の深層筋の凝りが関係しているといわれる節があります。

こむら返りの対処と予防

 こむら返りが起きたときは過剰に収縮した筋肉を伸ばすことが重要です。自分で行う場合は手でつま先を持ち足の甲をすねの方へ引き寄せるkomura24a.gifようにして足首を曲げ、しばらくその状態を保ちます。周囲に人がいる場合は足の裏側から押してもらうのも良いですね。立っているときは、つっていない方の足を前に出し重心を前に移します。両手は前に出した足の太ももの上に置き、つった足のかかとは床につけたままにして筋肉を伸ばして下さい。
 こむら返りの予防としては、ふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチングを行って下さい。運動時に起こりやすい方は運動前に、就寝中や朝起きたときに起こる方は就寝前に。就寝前の入浴もお勧めです。ストレッチングは運動前、就寝前に限らず朝、昼、晩など毎日の生活に取り入れるとより良いですね。ストレッチングの方法としては、反動をつけずゆっくり筋肉を伸ばしてください。伸ばした状態を最初は5秒ほど維持し、徐々に時間を長くすると良いようです。筋肉が伸びている事を意識しながら行って下さい。その時、呼吸は止めないで行って下さい。何事もそうですが病気で通院している方(特に整形外科など)は、医師に相談したうえで行って下さい。ストレッチングを行っていてもこむら返りを繰り返す場合は薬物療法が行われることがあります。



こむら返りの薬物療法

komura24b.gif よく使用される薬剤は、漢方薬の芍薬甘草湯で芍薬のペオニフロリンや甘草のグリチルリチンが筋弛緩や鎮痛作用などを発揮してこむら返りを改善するとされています。
他に効果があるとされる薬剤は中枢性筋弛緩薬のバクロフェン(リオレサールやギャバ ロン)、塩酸チザニジン(テルネリンやチロルビットなど)や末梢性筋弛緩薬のダントロレンナトリウム(ダントリウム)などがあります。またクエン酸マグネシウム(マグコロールなど)やクエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム(ウラリットUなど)やビタミン類なども効果があるようです。