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利 尿 薬 ― 尿量を増加させる薬剤 ―

asagao1.jpgはじめに asagao1.jpg

 古くからわが国では利尿薬は心不全治療薬として広く使われてきています。また、最近新たな作用機序を持つトルバプタン(商品名:サムスカ)も発売され心不全治療分野における利尿薬も重要なものとして取り扱われています。
 また利尿薬は降圧剤としても幅広く使用され、高血圧治療ガイドライン2014でも最初に投与すべく第一選択薬の一つとして挙げられています。
利尿薬を知る上で腎臓についても知っておきましょう。

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腎臓で.png

 腎臓の主な働きは血液中の不必要な老廃物を尿として捨て、重要なものは再吸収をして体液を維持することにあります。

 腎臓で尿を作る基本的単位をネフロンと言いますが、 そのネフロンは一つの腎臓で 100万個以上あるといわれています。ネフロンは腎小体と尿細管から成り立っています。

     ネフロン=腎小体 + 尿細管

     腎小体=糸球体 + ボーマンのう

     尿細管=近位尿細管+ヘンレのループ+遠位尿細管+集合管

 上記のように尿細管は4つに分かれていて各利尿薬がどの尿細管で作用するかによりそれぞれの特徴が決まります。

近位尿細管.png

 炭酸脱水素酵素阻害薬のアセタゾラミド(商品名:ダイアモックス)があります。
利尿効果は弱いため眼科で緑内障の眼圧降下薬などに用いられています。

ヘレンの.png

asagao.jpg ループ利尿薬と呼ばれているものでフロセミド(商品名:ラシックス)、アゾセミド(商品名:ダイアート)、トラセミド(商品名:ルプラック)、ブメタニド(商品名:ルネトロン)などがあります。
 ループ利尿薬の短時間作用型は、効果は速く表れ作用は強力であるため、速やかにうっ血を取り除きたい時に有効です。利尿効果が強いということは逆に言えば脱水に注意する必要があります。
 即効性のフロセミドは服用してすぐに効果は表れ、その後6時間ほど作用は続きます。
慢性心不全ではアゾセミドやトラセミドのように作用時間の長いループ利尿薬が有効とされています。
ループ利尿薬一般の副作用としては高尿酸血症や低カリウム血症などがあります。

遠位尿細管.png

 サイアザイド系利尿薬とよばれるものでトリクロルメチアジド(商品名:フルイトラン)などがそうです。利尿効果はゆるやかですが、血中のナトリウム濃度も下げることから降圧剤としても使用されています。
 副作用としてはループ利尿薬と同様に高尿酸血症や低カリウム血症などがありますが、高血糖を引き起こすことがあるため糖尿病の方には注意が必要です。
yuusuzumi.jpg 抗アルドステロン(カリウム保持性)利尿薬といわれるスピロノラクトン(商品名:アルダクトンA)も遠位尿細管に作用します。カリウムを保持するためループ利尿薬と併用してループ利尿薬の低カリウム血症の副作用の予防としても使用できます。
 副作用として月経不順や女性化乳房などがあります。

集合管.png

 集合管に作用する利尿薬ではトルバプタンがあり、バソプレシンという体液貯留につながるホルモンの働きをおさえます。本来の利尿薬はナトリウムイオンなどの電解質に関係するためループ利尿薬とサイアザイド系利尿薬では筋力の低下などがみられる低カリウム血症や疲労感から重症化すると痙攣などを起こす低ナトリウム血症などの副作用の心配があるのに対し、バソプレシンは電解質に関係することなく利尿作用を表すのが特徴です。利尿効果は強力であるため脱水には注意し、開始する場合入院下で行います。

asagao1.jpg あとがき asagao1.jpg


 利尿薬参考になりましたでしょうか。
ご自分が服用されているタイプが解りにくい場合は薬剤師にお尋ね下さい。

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