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抗アレルギー薬

はじめに
抗アレルギー薬とは

92cat001.jpg  抗アレルギー薬とはアレルギー疾患の治療薬をいい、広い意味では炎症をおさえるステロイド薬も含まれます。 飲み薬(経口薬)、吸入薬、点鼻薬、点眼薬など多くの剤形 があり、薬物をおおまかに分類するとケミカルメディエーター遊離抑制薬、第二世代抗ヒスタミン薬、トロンボキサンA₂阻害薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬に分けられます。 
いまや国民病ともいわれる花粉症も症状にあわせて、これらの抗アレルギー薬が処方されます。

 体の組織内に存在する細胞にマスト細胞というのがあります。 マスト細胞は化学伝達物質(ケミカルメディエーター)をいっぱい持っているので別名肥満細胞とも言われています。 そのマスト細胞は表面にIgE受容体を持っていて、アレルギー反応によってその表面の膜構造が変化することで、マスト細胞からはさまざまな科学伝達物質が放出されます。 その代表的なものはヒスタミンとロイコトリエンです。
この遊離抑制薬(放出抑制薬)には商品名でお伝えすると、インタールやリザベン、アレギサールなどがあります。


 ヒスタミンがH₁受容体と結合するのを阻止することでアレルギー作用を抑える薬剤です。 ヒスタミンは脳にもある物質で覚醒にも関わっていますので、抗ヒスタミン薬が脳内に入って脳のヒスタミンの働き(覚醒)まで抑えてしまうと眠気が起こります。 第一世代の薬剤はその眠気の副作用が強く出たのですが、第二世代と言われている抗ヒスタミン薬は脳内に入りにくいため、副作用の眠気は軽減されています。 とは言っても、眠気が起こらないわけではないので、服用後は車の運転など注意が必要です。
第二世代抗ヒスタミン薬は種類も多く、ザジテン、アゼプチン、セルテクト、ゼスラン、ニポラジン、アレグラ、ディレグラ、アレジオン、エバステル、ジルテック、ザイザル、タリオン、アレロック、クラリチンなどがあります。
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 マスト細胞から放出されるケミカルメディエーターの中にトロンボキサンA₂というものがあります。 トロンボキサンA₂は気道の粘膜の浮腫や気管支平滑筋を収縮させ鼻づまりや喘息を起こしてしまいます。 そのトロンボキサンA₂の合成を阻害して気管支喘息を治療する薬としてベガやドメナンがあります。 
また、トロンボキサンA₂が受容体に結びつかないようにして、喘息を治療する薬にブロニカがあり、同じく受容体に拮抗することでアレルギー性鼻炎を改善させる薬にはバイナスがあります。

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ロイコトリエン受容体拮抗薬

ロイコトリエンは細胞膜のアラキドン酸から生成され、とくにマスト細胞や白血球の一種である好酸球より産生されます。 トロンボキサンA₂などと同じように、気道の粘膜の浮腫や炎症を起こし気管支平滑筋を収縮させてしまうので鼻づまりや喘息を起こしてしまいます。

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ロイコトリエン受容体拮抗薬は炎症をおさえ気道のリモデリング*を予防し、鼻づまりにも効果があります。
ロイコトリエン受容体拮抗薬にはオノン、シングレア、キプレス、アコレートなどがあります。

気道リモデリング : 喘息などで長年にわたって気道が炎症を起こすなどして、やがて気道粘膜は線維化し、平滑筋は肥厚 してしまいます。気管支の内腔も狭くなって元の気道ではない悪い状態に変化してしまいます。これを気道リモデリングといいます。

サイトカインは免疫システムにかかわる細胞から分泌されるタンパク質で多くの種類があります。 リンパ球であるTh2細胞から作られるTh2サイトカインを阻害する薬剤はIgE抗体と好酸球を減少させることで、気道過敏状態を改善し、くしゃみ、鼻水、鼻づまりやアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患も改善します。
Th2サイトカイン阻害薬としてはアイピーディなどがありますが、アイピーディのドライシロップの保険適応は気管支喘息のみとなっています。


薬には食事の影響があるものとそうでないものがあります。 抗ヒスタミン薬もそれは同じです。 クラリチンの添付文書では1日1回食後と記載されていますが、それは空腹時より食後の方が血中濃度は高くなるためです。つまり効きが良くなるわけなのです。
一方アレジオンでは空腹時に比べて食後服用の方が血中濃度は下がってしまいます。 そのため添付文書にも1日1回の服用とあり、食後の指示はありません。 ただ処方箋では夕食後とあるものも多く見られます。 それは眠前の処方に比べて夕食後の方が飲み忘れが少ないことなどがあり、結局はドクターの指示通りに服用していただくのが良いことになります。