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食物アレルギー

はじめに

pict1.jpg  2012年12月、東京都調布市の小学校の学校給食で、チヂミに入っていたチーズの誤食によるアナフィラキシー・ショック死も記憶に新しく、周囲や一般の人々にもアナフィラキシーを正しく理解していただく必要をひしひしと感じさせる出来事でした。
 アナフィラキシー・ショック時の第一選択薬としては、アドレナリン(エピネフリン)の筋注が使用されます。そのアドレナリンの筋注(商品名:エピペン)は当初は自費での購入でしたが、2011年9月からは保険で処方できるようになりました。
 この度、日本小児アレルギー学会のアナフィラキシーワーキンググループは、「一般向けエピペンの使用基準」(後述)を発表しました。チヂミ事故のような悲しい出来事が今後起きないようにとの思いは、みんな同じなのです。

食物アレルギーとは

pict2.jpg  食物アレルギーとは「食物(基本的には食物のタンパク質)によって引き起こされる免疫反応を介して、生体にとって不利益な症状が誘発される現象」を示します。
 誘発される症状とは、特にかゆみや赤み、また蕁麻疹や湿疹といった皮膚症状や唇やまぶたの腫れや目の充血、くしゃみ・鼻づまり、またのどの痒みやイガイガ感といった粘膜症状が多く、腹痛や嘔吐、下痢といった消化器症状及び、喉がしめつけられる感、声がれ、咳、呼吸困難などの症状があり、全身性症状であるアナフィラキシーショックでは生命の危険も伴う事があります

アナフィラキシー・ショック

 アナフィラキシーとはアレルギーの原因物質に触れたり食べたりしたあと、数分から数時間以内にあらわれる激しいアレルギー反応のことで、このアナフィラキシーによって血圧の低下や意識障害など生命を脅かす症状を伴うものをアナフィラシキー・ショックと言います。pct4.jpg

アナフィラキシーを引き起こすアレルゲンは、食べ物以外では薬剤や昆虫、特に蜂(スズメバチやアシナガバチなど)があります。



アナフィラキシー・ショックを起こしやすい食べ物

―2012年に報告されたデータです―

①卵(27.6%) ②牛乳・乳製品(23.5%) ③小麦(17.7%) ④そば(7.1%)
⑤ピーナッツ(4.6%) ⑥えび(3.5%) ⑦いくら(2.0%) ⑧もも(2.0%)
⑨大豆(1.8%) ⑩キウイ(1.8%) ⑪バナナ(1.0%) ⑫ヤマイモ(1.0%)
⑬その他(6.3%)

食物アナフィラキシーの発症までの時間と対応

 症状が出はじめてから、全身に波及するまでの時間が急速であるため、1分でも早く発見する必要があります。アナフィラキシー状態では歩かせてはいけません。歩くと急に血圧低下をまねき危険です。
 アナフィラキシーの補助治療剤のエピペン(自己注射)はアナフィラキシーを根本的に治療するものではありませんが医師の診察を受けるまでのつなぎになります。自分で注射をする、あるいは教職員や保育士や救急救命士の方々、またはご家族が本人にかわって注射をすることがあります。
 アナフィラキシー補助治療剤が必要になったときにはまず救急車を呼びエピペンを太もも前外側の筋肉内に注射します。緊急時には衣服の上からでも注射は可能です。静脈内に投与された場合は急激な血圧上昇をまねき脳出血を起こす場合があるので要注意。注射のあとは足を高くして楽な姿勢(あお向け)で救急車を待ちましょう。嘔吐している場合は顔は横に向けておきます。突然立ち上がったり、座ったりすると数分で急変することがあります。

エピペンの使用基準

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アナフィラキシーに対する薬剤

 すでにお伝えしているアナフィラキシー補助治療剤(エピペン)以外に内服薬として抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬、副腎皮質ステロイド薬などが用いられます。抗ヒスタミン薬は化学伝達物質の働きをおさえステロイド薬は化学伝達物質の放出を抑制します。

アレルギーの予後

 乳幼児期に発症する卵や牛乳、小麦、大豆は年齢とともに食べられるようになる傾向が強く、一般的には3歳までには50%、6歳までには80~90%が食べられるようになるようです。