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薬の吸収と代謝

はじめに
薬の吸収と代謝とは

i19a.png薬の代謝
  口から服用した薬は胃液に溶け、胃や腸から吸収されて血液中に移行します。その後肝臓に移り酵素によって代謝されます。一部代謝されなかった薬が血流にのって全身に運ばれます。この時、血液中のタンパク質と結合しますが結合しなかったものが、薬として効果を現し始めます。働くべき場所で働き終わった薬は、主に腎臓から尿中に排泄されますが、一部便・呼気中・汗・涙・唾液などに排泄されます。眠剤のアモバンを服用した翌日口が苦いのは、代謝物が唾液に出てくるからです。また肝機能の低下や、栄養状態が悪く血液中のタンパク質が少ないと薬の作用が強く出る場合があります。薬の体内での代謝は数時間から数日かかるもの等さまざまです。

「肝排泄型薬物」と「腎排泄型薬物」

 上記は薬の代謝過程を分かりやすく説明したものですが、もう一歩足を踏み入れて考えてみましょう。
 私達薬剤師が患者様にお薬をお渡しする時に肝臓の悪い方や腎臓の悪い方に注意している事があります。それは薬剤が肝代謝(肝排泄型薬物)か腎代謝(腎排 泄型薬物)かという事です。
 薬は肝臓も腎臓も通過するのですが、肝臓で代謝されて薬効を失い、尿中に排泄される未変化体の割合がだいたい40%以下の場合を肝排泄型といい、一方、肝臓で代謝されにくく未変化体のまま腎臓を通過する割合が60%以上のものを腎排泄型と呼んでいます。中間の40%~60%を肝・腎排泄型と呼ぶ場合があります。
 肝代謝の薬物を肝機能が低下した方が服用すると薬の代謝が悪くなり、血中濃度が高くなって薬の効果が強く出すぎたり副作用が発現したりする事があるのです。腎代謝の薬物を腎機能が低下した方が服用すると同じが事が言えます。 ほとんどの場合、脂溶性薬物は肝排泄型ですし水溶性薬物は腎排泄型です。

「最高血中濃度」と「最高血中濃度時間」

最近の薬剤には食事の影響を受けないものが多いものの、最高血中濃度(Cmax)も最高血中濃度時間(Tmax)も食事の影響を受けるものがあります。例を挙げてみましょう。

① 解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンの場合。

i19b.gif左図のように空腹時に服用する方が効果的ではありますが、空腹時服用では胃腸障害の副作用が高くなる可能性があります。

② 降圧剤のARBの場合。
カルデサルタンシレキセチル(ブロプレス)⇒食事の影響なし
オルメサルタンメドキソミル(オルメテック)⇒食事の影響なし
ロサルタンカリウム(ニューロタン)⇒食後服用によりわずかに吸収速度と吸収量が減少
バルサルタン(ディオバン)⇒食後服用により Cmax低下
テルミサルタン(ミカルディス)⇒食後服用によりCmax低下・Tmax遅延
この事から言える事はバルサルタンやテルミサルタンを服用している方は空腹時では血中濃度が高くなり降圧作用が強く出てしまう恐れがあるので、食後服用している場合は毎日食後に服用するようにして下さい。

「くすりが体内からなくなるとき」

i19c.gif薬が消失する時間は授乳を再開したい時や副作用で薬を中止した時に知っておきたいポイントになります。服用を中止して血中から薬が消えるのは、その薬剤血中濃度半減期の4~5倍の時間です。

まとめ

薬の吸収と代謝を知っておく事は薬剤を効果的にかつ安全に使用するためにとても重要な事です。ドクターは薬の吸収と代謝を考慮して処方されているので患者様は処方通りきっちりと服用されることが大切なのです。
 さて、平成18年もあとわずかとなりました。皆様はこの一年どんな一年だったでしょうか。禁煙は出来ましたでしょうか?運動習慣はつきましたでしょうか? 私は今年出来なかった事で来年の目標にしようと思っている事があります。それは、砂糖を減らし、2㎏体重を減らしてスリムな体になる事です。
 言うは易し行うは難しですね。