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糖尿病患者の血液管理

はじめに
糖尿病患者の血液管理とは

インスリンと血統・血圧の関係
 インスリン抵抗性 2型糖尿病患者の血糖が上昇する理由を大きく分けると、インスリンが足りないかインスリンがあっても肝臓や筋肉がインスリンに反応しない(インスリン抵抗性)かの二通りになりますが、2型糖尿病発症の背景にはインスリン抵抗性があると考えられています。

 ところが最近、高血圧の発症にもインスリン抵抗性が関与している可能性があると言われています。高血圧と糖尿病が合併することが多いという事が以前から知られていましたが、何らかの共通の原因が血圧も血糖も上昇させると考えられ、この共通原因として、インスリン抵抗性が注目されています。

 インスリンは、筋肉や肝臓に作用して血糖を調節しますが血管内皮細胞にも作用して血管機能も調節していることが明らかになるにつれ、最近テレビでも耳にするようになったメタボリックシンドロームという概念は、腹部肥満に伴うインスリン
抵抗性が将来の糖尿病や動脈硬化や心筋梗塞をもたらすとの考えにもとづいて、疾患予防のための啓発として提唱されたものです。

 薬物治療の面でも、インスリン抵抗性を改善して血糖を下げる薬剤であるピオグリタゾン(アクトス)に心血管イベント(大血管障害)を予防する効果があることが示されています。
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血糖コントロールと血圧コントロール
 糖尿病患者の血糖コントロールの程度を評価するには朝食前の空腹時の血糖値、食後の血糖値、HbA1cが指標となります。(パンダ通信第5号参照)HbA1cは過去1~2ヶ月間の血糖の平均を反映する数値で、この数値が高いほど糖尿病特有の細小血管障害(パンダ通信第11号参照)の発症の危険度が高まり反対に下げることで抑制できることが過去の研究で示されています。

 大血管障害(同じくパンダ通信第11号参照)は、HbA1cを下げるだけでは不十分で、食後の血糖値が問題となります。そして1990年代にイギリスで行われた研究では糖尿病の大血管障害予防には、血糖コントロールもさることながら血圧のコントロールが極めて重要であることが示され、日本高血圧治療ガイドラインでも糖尿病を合併する高血圧の降圧目標は130/80以下とされています。

 また糖尿病治療ガイドラインでは尿蛋白1g/日以上の場合の降圧目標は125/75以下とされており、細小血管障害である腎症の進んだ糖尿病患者にはより厳格的な血圧コントロールが求められています。


生活習慣の修正
 糖尿病も高血圧も生活習慣が大きく影響する疾患です。生活習慣の修正点として食塩制限、野菜果物の積極的摂取、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取制限、適正体重の維持、運動療法、アルコール制限、禁煙があります。

 この中で、果物の積極的摂取は、摂取カロリーの増加につながることがあるので糖尿病患者では推奨されていませんが、それ以外は糖尿病患者も高血圧患者もほぼ同等の内容となっています。
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