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尿失禁と前立腺肥大症

はじめに
尿失禁とは

尿が漏れるという状態ですが、原因も多岐にわたり膀胱や尿道の機能の障害だけではなく、ADL(日常生活動作)や認識能力の低下からも引き起こされます。そのため、尿失禁は患者さんのみならず家族や介護者のQOL(生活の質)にも大きな影響を及ぼします。

女性尿失禁

女性では「腹圧性尿失禁」が「切迫性尿失禁」より多くみられますが、年齢が高くなるにつれて切迫性尿失禁の割合は上昇します。また両方を併せ持つ「混合性尿失禁」も多くみられます。

腹圧性尿失禁:咳、しゃっくりなどの腹圧上昇時に伴う思わぬ尿失禁。

切迫性尿失禁:突然に尿意が起こる、いわゆる我慢のできない失禁。

排尿機能は自律神経(交感神経と副交感神経)によってコントロールされています
尿は腎臓で作られ尿管によって膀胱に運ばれる。
• 膀胱に尿が溜まるにつれて、膀胱排尿筋は弛緩する。反対に溜まっ た尿が漏れ出さないように内尿道括約筋は収縮する。(膀胱に150mLくらい尿が溜まると軽い尿意を生じるが、300mLくらいまでは何の苦痛もなく尿意を抑制できる。)
• 尿が300~400mLくらい溜まると膀胱の内圧が上昇しはじめ、脊髄を通って脳に尿意の刺激が伝わる。
• 排尿を決意すると、副交感神経の働きにより膀胱排尿筋は収縮する。また交感神経は働きが抑制され内尿道括約筋は弛緩する。 
• 排尿機能が正常な場合、1回の排尿量は300mLくらいで、30秒以内で排尿は終了する。 
※男性の尿道は16~18㎝と長く、女性は3~4㎝と短いため男性は出しにくく女性は漏れやすい。

前立腺肥大症

前立腺は男性特有の臓器で膀胱の下にあり、尿道を取り囲んでいる。クルミのような形の小さな臓器で精液の主成分となる前立腺液を作っている。前立腺肥大症は60歳までの男性の約50%以上にみられ、85歳では90%に認められると言われています。
臨床的な前立腺肥大症とは、単に前立腺が肥大しているだけではなく、「尿の出が悪くなった。」「尿が出始めるまでに時間がかかる。」「夜中に何度もトイレに起きる。」といった尿路閉塞などの症状が出て初めて治療の対象になります。
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