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爪白癬(爪水虫)

はじめに
爪白癬(爪水虫)とは

 足白癬患者は夏季に多く見られますが、爪白癬患者には季節的変動はありません。足白癬を未治療で放置していると白癬菌は爪周囲から爪甲の下に侵入し、爪甲が白色~黄色に濁ってきます。

 やがて爪甲下角質が増殖して爪が肥厚し、さらに増殖した角質がもろくなって脱落すると爪甲剥離状態(爪が浮いている状態)になります。初期には爪甲表面に変化はありませんが、進行すると爪甲変形が生じ蛎殻(かきがら)様になることもあ ります。

 爪白癬は外用薬は角層の奥深くには浸透しないため、爪白癬の治療は内服が原則です。(ごく初期の爪白癬では外用剤で治癒することもあります。) 

 テルピナフィン⇒1997年に保険適応が承認されました。1日1回1錠を5~6月連日服用します。

 治癒率が高く他剤との併用禁忌がなく併用注意も少なく、価格もイトラコナゾールに比べて安いのですが服用期間がイトラコナゾールに比べて長く、またごくまれに(10,000人に1人くらいの割)ではありますが重篤な肝障害も報告されているため、服用期間中は月に1回、肝機能検査を受ける必要があります。

内服抗真菌薬
日本では爪白癬に保険適応があるのは次の3種類です

グリセオフルビン
 1960年代から使用されていて、価格が安く相互作用が少なく小児への適応が認められていますが、静菌的にしか作用しないため長期服用が必要で、治癒率も低い為現在ではあまり使われていません。

イトラコナゾール
16a.png 1999年に爪白癬の保険適応が承認され、当初は1日1回の連日服用 で使用されていましたが、2004年に爪白癬に対するパルス療法が承認されました。

 パルス療法とは1回 200㎎を1日2回1週間連続服用し、その後3週間休薬することを1クールとして、これを3クール繰り返す方法です。

 この3クールを限度として治療開始から6ヶ月は経過観察をしますが、その時点で効果が不十分な場合はさらにパルス療法を追加したり他剤に変更されることもあります。

 服用期間が短く治癒率は高いのですが、併用禁忌あるいは併用注意の薬剤が多く価格が高いという問題点があります。また服用する際、肝障害に対する注意が必要となります。

テルピナフィン
 1997年に保険適応が承認されました。1日1回1錠を5~6ヶ月連日服用します。

 治癒率が高く他剤との併用禁忌がなく併用注意も少なく、価格もイトラコナゾールに比べて安いのですが服用期間がイトラコナゾールに比べて長く、またごくまれに(10,000人に1人くらいの割)ではありますが重篤な肝障害も報告されているため、服用期間中は月に1回、肝機能検査を受ける必要があります。

ワンポイントアドバイス

 そのⅠ: イトラコナゾールもテルビナフィンも一般的に副作用の肝障害は服用開始から8週以内(2ヶ月以内)に発現しています。

 そのⅡ: イトラコナゾールもテルビナフィンも空腹時の服用より食後服用(イトラコナゾールは食直後服用)の方が吸収は良くなります。

 イトラコナゾールとテルビナフィンのコスト比較(薬局での支払い)
服用開始から6ヶ月で治癒したとした場合、それぞれの薬剤費は6ヶ月で次のようになります。実際の支払いには薬剤費に基本料がプラスされるのでもう少し高くなります。

商品名
(成分名)
イトリゾール
(イトラコナゾール)
ラミシール
(テルビナフィン)
自己負担金1割の方 ¥8.970 ¥4.700
自己負担金3割の方 ¥26.910 ¥14.100

 ※上記は先発医薬品の価格で後発医薬品(ジェネリック)ではこれより安くなります。16b.png