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脂肪酸 -EPAとアラキドン酸(AA)-

はじめに
脂肪酸 -EPAとアラキドン酸(AA)-とは78-3a.gif

EPAとアラキドン酸
78-2a.gif EPA(イコサペント酸)はDHA(ドコサヘキサエン酸)と共に健康志向の方なら一度は耳にされた事があるのではないでしょうか。
EPAはイワシなどの青魚に多く含まれる脂質で体内ではα-リノレン酸から産生され、EPAからはDHAも生成されます。
 一方、アラキドン酸(AA)はリノール酸から生成され、α-リノレン酸やリノール酸はどちらも体内では作ることのできない脂肪酸なので、食事などで外から取り入れる必要があり、必須脂肪酸といわれています。
 けれども必須脂肪酸といってもバランスも大切でα-リノレン酸から産生されるEPAは炎症や血栓を抑え、中性脂肪を下げることから動脈硬化性疾患を抑制することが知られていて、リノール酸から生成されるアラキドン酸では、炎症や血栓が起こりやすくなるため動脈硬化性疾患のリスクが高くなります。
 現代人の食生活はEPAの摂取量の減少に加えて、リノール酸を多く摂取しがちで、その結果EPAとアラキドン酸の比率(EPA/AA比)が小さくなり炎症や血栓ができやすい原因の1つになっていると言われています。78-4a.gif

脂肪酸の分類

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飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

 常温で飽和脂肪酸は個体に、不飽和脂肪酸は液体になることが多く、化学式でいえば飽和脂肪酸は二重結合がなく不飽和脂肪酸は二重結合があります。
 二重結合も1つだけ持つものを一価不飽和脂肪酸といい、2つ以上持つものを多価不飽和脂肪酸といいます。78-5a.gif

脂肪酸の種類と多く含む食品

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イワシと紫式部

『日の本にはやらせ給ふ いわしみず
             まいらぬ人はあらじとぞ おもう 』
 これは平安の昔、イワシが大好物だった紫式部が詠んだ歌です。イワシは下賤な魚とされていて上流階級では食べることははばかられていたそうで、こっそりイワシを食べていて夫にたしなめられた時に「いわしみず」と「いわし」を掛けて「石清水八幡宮に誰もがお参りするようにイワシを食べない人はいないでしょう。」と歌ったそうです。
 ところが、今や食生活の欧米化により日本人のEPAの摂取量は徐々に減ってきてしまいました。EPA含有量の多い魚はこのイワシやさば、まぐろ、はまち、ブリ、さんま、鮎などで長期間食べることで血栓ができにくくなる、血液中の中性脂肪が減る、血管の弾力性が保たれるなどの効果が期待できます。

EPA製剤

 EPAは薬にもなっていて、EPA製剤の服用によりEPA/AA比が上昇した結果、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患や脳卒中の再発の抑制効果が認められています。78-6a.gif

EPA製剤服用時の注意

 EPA製剤(エパデールなど)を服用されるときはEPAは脂溶性物質なので、空腹時に服用した場合には全くといっていいほど吸収されない可能性があるので、食直後に服用するようにして下さい。また、EPAも他の血液サラサラ薬剤と同様、内視鏡検査時などでは休薬が必要となる場合がありますので主治医の指示に従ってください。
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