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禁煙

はじめに
禁煙とは

禁煙は愛です

次の世代のこどもたちを守るために大人としてできること

私たち薬剤師ができること

 先日、兵庫県薬剤師会(兵薬会)の禁煙指導認定薬剤師の講習会に参加しました。今回のパンダ通信のテーマは兵薬会のスローガンでもあります。私たち大人も含めすこやかな人生を送るために、禁煙生活を始めてみませんか?

 『我々喫煙者はタバコ税を納めているんだから、文句はないはず。』の声も聞こえてきそうですが、タバコが原因と考えられる健康被害による医療費の社会的損失はそれを大きく超えるものです。
また、『自分はタバコを吸って命が縮まっても構わない。』と言われる方もあるでしょう。ところがタバコ病事典ホームページによると喫煙者の人生は非喫煙者の人生より寝たきりの年月が1.6倍という調査報告があります。
 今や個人の嗜好と考えられてきた喫煙は、【ニコチン依存症】という【病気】として位置づけられています。 薬剤師として一番よく耳にするのが『ストレスからくるイライラを抑えるためにタバコは離せない』という言葉です。
⇒ 実はそのストレスの正体はタバコが作っているものなのです。48-2a.jpg
つまり、そのストレスはタバコを吸わない人には起こらないものなので、タバコを吸うことで気持ち良くなれたようでも、実はタバコを吸っていない人と同じレベルまで戻っただけなのです。
その理由は、後述する【ニコチン依存のメカニズム】を参考にして下さい。

 禁煙によるニコチン切れであらわれる症状にはタバコを吸いたいとか頭痛、イライラ、体がだるい、眠い、落ち着かないなどがありますが、それらは禁煙後2~3日がピークで、あとは徐々に消えていきます。 そのため、『3日禁煙できればタバコはやめられる。』と言われています。
2006年からは、それまで自費で行われてきた禁煙治療が保険診料で行われるようになっています。 のみ薬、貼り薬等で、ご自分に合った方法で楽に禁煙できる方法もありますので、気軽に私たち薬剤師にもご相談ください。

ブリクマン指数

 保険診療ではブリンクマン指数が200以上であることが要件に上げられています。
ブリンクマン指数とは累積された喫煙量の指数を表します。 70-1a.gif
ブリンクマン指数=1日の喫煙本数×喫煙年数
一般にこの指数が400を超えると肺がんのリスクが高くなるとされています。

ニコチン依存度テスト

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ニコチン依存のメカニズム

 ニコチン依存症にかかわる主な作用の仕組みとしては、ニコチンが神経伝達物質を刺激して中脳から大脳辺縁系の経路が活性化されることにより多幸感、気分高揚、覚醒、緊張緩和などが起こります。 ニコチンは脳内のニコチン性アセチルコリン受容体に直接作用してドパミンの放出を促進させることが分かっています。 ドパミンは快楽の神経伝達物質ですが、くり返す喫煙によって過剰なドパミンの放出が続くとドパミンの受容体(受け手側)では過剰な興奮を抑えようとしてドパミン受容体が減少します。 その結果、脳内のニコチンが低下した状態での大脳辺縁系では、ドパミンの不足した状態におちいり、不安やうつ気分や集中力の低下などいわゆるニコチン離脱症状が起きるので、それを解消しようとして脳内はニコチンを求めるようになるのです。

禁煙補助薬

66-3a.png 禁煙補助薬には、ニコチン置換薬といわれるニコチンパッチやニコチンガムとニコチン受容体拮抗及び部分作動薬といわれるバレニクリン(商品名:チャンピックス)があります。 ニコチンパッチやニコチンガムはイライラが出ない程度のニコチンを補充することで離脱症状を軽減するもので、一方バレニクリンはニコチンが中脳のニコチン性アセチルコリン受容体にくっつくのを妨害し、タバコを吸ってもドパミンの快感を得られなくするものです。 バレニクリンはそれとは別に少量のドパミン分泌作用もあり、自然にニコチン離脱症状をおさえて、ニコチンがなくてもよい状態にします。