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防風通聖散の抗肥満効果

はじめに
防風通聖散の抗肥満効果とは68-1a.gif

防風通聖散

 漢方薬の防風通聖散(ボウフウツウショウサン) は「肥満症」に保険適応が 認められた薬剤です。 18種類の生薬から構成されていて、成分の麻黄(マオウ)はエフェドリンを 多く含むため交感神経終末からノルアドレナリンの放出を強め、別の成分 の甘草(カンゾウ)、 荊芥(ケイガイ)、連翹(レンギョウ)には、ノルアドレナ リンの効果を持続する働きがあるため、白色脂肪細胞での脂肪分解作用 と褐色細胞を活性化させて脂肪燃焼効果を発揮するという 明確な薬理作 用があります。

白色脂肪細胞
 白色脂肪細胞は全身に存在し、余分なエネルギーを中性脂肪のかたちで 体内に蓄える働きをします。お腹まわりの脂肪は白色脂肪細胞です。

褐色脂肪細胞
 褐色脂肪細胞は首の後ろ、 腋の下、肩甲骨、心臓、腎臓のまわりにあり、 過食による余分なエネルギーを熱として体外に放出する働きがあります。 この細胞の働きが鈍るとエネルギーは蓄積し肥満になります。

肥満と肥満症

68-2a.gif 肥満とは体内に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMIの25以上を肥満とい います。 BMIは  体重(kg)÷身長(m) で計算します。 体重が64kgで、身長が160cmの人は 64÷(1.6×1.6)=25 つまりBMIは25なので肥満 ということになります。 肥満の中でも医学的に減量療法を必要とするもの、 すなわち肥満に起因 する病態がある人を肥満症といい、 肥満症の薬物療法として 防風通聖散が用いられます。

注意事項
 防風通聖散を美容目的では使用しないでください。副作用として肝障害が 指摘されていますので、定期的な肝機能検査は必要です。 また肥満治療 は食事療法、運動療法を行ったうえで、 まだ不十分な場合に漢方療法を 始めてください。

防巳黄耆湯

 防風通聖散に対してよく比較される漢方に防巳黄耆湯 (ボウイオウギトウ)が あります。 防風通聖散は脂肪太りの肥満、硬い太鼓腹、便秘やのぼせ症状に効果があ るのに対し、 防巳黄耆湯はブヨブヨした肥満で、 体が重く、足がむくみがちで 膝に負担がかかる症状や、汗っかきだけれど冷房は苦手というタイプに効果 があります。 また、証でいえば防風通聖散が実証の方に、防巳黄耆湯は虚証の方に向き ます。
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内臓脂肪とインスリン抵抗性

 肥満症、 とりわけ内臓脂肪蓄積型は糖尿病をはじめとする生活習慣病を高 率に合併することが知られています。これは、肥満、とくに内臓脂肪蓄積型で は、 脂肪肥大に伴ってアデポネクチン(内臓脂肪から出る生理活性物質)の 分泌が低下してインスリン抵抗性が惹起されます。 言いかえれば、 アデポネ クチンが増えるとインスリン抵抗性が改善されるのです。 また、アデポネクチンは血管に対する直接的な抗動脈硬化作用もあると言わ れています。

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