2023年12月19日(火)、認知症カフェ「あゆみ」の一環として「注文をまちがえるカフェ at なないろカフェ」を開催しました。
認知症カフェ「あゆみ」は認知症と診断されたご本人が、もっと安心して外へ出て社会とつながる機会を提供する場として月に1回程度の活動を行っています。今回は尼崎市の「なないろカフェ」様にご協力いただきました。
なないろカフェは尼崎市開明庁舎の1階スペースを活用したカフェです。2004年に廃校になった小学校を活用したカフェですので随所に小学校の名残があります。この日カフェでホールスタッフを担当するのは認知症と診断されたご本人様。開始直後はとても緊張気味でしたが、なないろカフェのスタッフさんのフォローもあり、しっかりとお客様の注文を聞き取り、配膳までを行って下さいました。
慣れてくるにつれて、自分から注文を聞き笑顔で配膳したり、メニューを置くときの向きを「こっちの向きがいいかな」と考えて工夫してみたり…。そうするとお客さまにも自然と笑みがこぼれます。お客様に「ありがとうございます」と声をかけられとても嬉しそうな表情でした。過去に喫茶店での勤務経験がある女性の方は「昔を思い出すわ、昔は本当に大変だったけど今も物価が高いでしょ、大変よね」としっかりとした口調で昔を語られます。
奥様に付き添われ参加された男性の方は、飲食店の経験はなく始めは大変緊張されていましたが、過去に車関係のお仕事をされていたようで車の話になると饒舌になり、色んなお話を聞かせて下さいました(笑)好きなことの話になると目が輝くのはみんな同じなんですね。
そうこうしているうちに2時間の長丁場をしっかりと務めて下さり、結果的には誰も「注文をまちがえる」ことはなく終了しました。スゴイ!最後は「本当にいい思い出をありがとう」と笑顔で帰られたことを、とてもうれしく思います。
♥さいごに
今回は初めて「一般のカフェ」という、より私たちの生活に身近なところでの開催となりました。認知症は決して特別な病気ではありません。2025年には約5人に1人という割合にまで増加すると言われています。認知症の人が認知症と共によりよく生きていける社会であるよう、もっと多くの人たちに「認知症」を正しく理解してもらうための取り組みを継続していきたいと考えています。ただし、同じ場所で開催するだけではなかなか活動の輪が広がりません。ですので、今回のように他団体等との連携やコラボを行いながら、更に充実した活動ができるよう毎回ブラッシュアップしていきます。